第7冊 B1F R7 日本の小説

本棚を物色するのに、1セクションあたり、だいたい10回立ったり座ったりするのですが、
立ち上がるたびに立ちくらみがします。
体が弱ってくるような年齢なのでしょうか?
くらくらしながら、選んだのが「中島敦」。
山月記・李陵ほか (読んでおきたい日本の名作)
国語の教科書で、「山月記」は読んだかもしれない。
中島敦」は享年33歳だと知りました。
自分はその年齢を超えています。
自分より若くして、日本の名作に選ばれる作品を書いたのかと思うと、
中島敦すごい」という感想と
「オレたいしたことしてないなぁ」という自己嫌悪が湧いてきます。

人間は誰でも猛獣使いであり、その猛獣に当たるのが、各人の性情だという。(「山月記」より)

虎と化した人への批判には、「自分には猛獣なんかいない。心に猛獣がいること自体が悪である。」といった調子が多いように思う。
心に虎がいることを認め、飼いならしたり、押さえ込んだり、他人を傷つけないよう解き放ったりして、虎と付き合っていくのが、肝要ではないでしょうか?