「けっ、お涙頂戴かよ。」で終わるなかれ。-「十二番目の天使」
- 作者: ていか小鳩,オグ・マンディーノ(原作)
- 出版社/メーカー: ソフトバンククリエイティブ
- 発売日: 2009/08/22
- メディア: コミック
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一読目
いきなり、主人公の自殺シーンから始まるのか。
交通事故で妻と子供を失ったのか。ありきたり設定だな。
そこに現れ、人の心にずかずか上がりこむ親友。
リトルリーグの監督をしろと言う唐突展開。
親友は心臓が悪い。ご都合主義。
体が小さく、運動オンチだが、一所懸命のティモシー。
ボールをよく見ろと言われるが、ボールがかすんで見えている。
明らかな死亡フラグ。不治の病で死ぬんですね。分かります。
予想通り、ティモシーは死ぬ。病名すら明示されない。
プロットのために殺された感がある。
妻子を交通事故で失った主人公の親友は心臓が悪く、世話した少年は不治の病で死ぬ。
仕組まれた不幸連鎖。
人が死んだら、泣ける話になるんじゃね?という企み。
うーん、正直冷めます。
もっと意地悪く読む
ティモシーはドイツから合衆国に引っ越してきた。
サッカーではできないことも、ベースボールならできる。←暗にサッカー批判。
ティモシーはどんくさいが、めちゃ笑顔のかわいい少年。
これ、鼻水垂らしたアホガキだったら、ドラマにならんよな。
しかし、この不幸連鎖の中で、悪いやつが一人も出てこない。
生意気なチームメイトのトッドも、ティモシーをいじめたりしないし、上達ぶりを素直にほめる。
そこが、救いなのかもな。
もっと自分に引きつけて、読み直す
あー、そういや俺も小学生の頃、ソフトボールクラブに入ってたなあ。
俺もどんくさかった。ライト守ってた。ヒット打ったことなんかめったになかったな。
一度だけ試合で猛ダッシュして、ライトフライをキャッチしたことを今でも覚えてる。
嬉しかった。
余命1年とか自分で分かっていながら、野球やってる場合かよ、と思ってた。
けど、子供にとって、フライをキャッチする、ヒットを打つなど
一つ一つが大きな意味を持ってたんだなと思い出した。
「死にたい」と願っていたが、死を思いとどまるジョン。
「生きたい」と願っていたが、死を迎えるティモシー。
よくある設定は、それだけ元型ということなのだろう。
35歳のおっさんの俺ですが、
「毎日、毎日あらゆる面で僕はどんどんよくなっている。」
と言えるだろうか?
自分に問う。